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ME23ブレーキ弁の作用と取扱いの簡単な説明

こんにちは!昨日の続きです。

今日はブレーキのポジションについてお話をします。

残念ながらワシ丸関係者に内燃車免許所持者もME23搭載の車両に乗務した経験者も居ませんので、これはхироが文献で調べたり、運転台を作る為に同業者のキハがある会社の方に聞いてきた内容になります。

補足や聞き間違えてる事あったらコメントお願いします!

呼称や名称は細かく見ると間違いまくってると思うので素人レベルという事で、ね?

皆様の優しいお心に感謝します^ ^

では見ていきましょう!

 

『ユルメ(運転)位置』

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管の連絡 ブレーキ管ー元空気ダメ

接点   なし (電磁弁は排気する)

この位置にすると490kPa(5kgf/㎠)の圧力がブレーキ管に加圧され、制御弁を介してブレーキを緩める

 

また、電磁ブレーキが付いている車両へはユルメの指令が出る。

 

『保ち位置』

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管の連絡 自車 管の連絡を断つ

     他車 ブレーキ管ー元空気ダメ

接点   電磁弁 重なり

 

自車のブレーキ圧力はそのままに、他の車両のブレーキ管に490kPaの圧縮空気を送ってブレーキを緩めます。

坂道を降る時や電磁ブレーキのない車両で長編成を組んだ時に後部の車両のブレーキを緩めておく事で、発車の際スムーズに出れるそうです。

 

 

『抜取り位置』(抜き取りと書く場合もあるようです。)

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管の連絡 全ての管の連絡を断つ

接点   電磁弁 重り

ブレーキハンドルを抜き取る為の位置で、運転中は基本的にこの位置では留めない。

あくまでハンドルを抜取る為の位置です。

 

『重り位置(かさなり)』

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管の連絡 全ての管の連絡を断つ

接点   ATS確認回路

     電磁弁 重り

ブレーキ圧力をそのままにする位置です。

よく言葉の意味合いからか『保ち』と混同している例を見掛けますが、保ちと重りはだいぶ違います。

 

取り扱いとして、ブレーキを掛けたい時は後述のブレーキ位置で適当な圧力まで減圧して、意図した圧力になった時にこの『重り位置』にハンドルを置きます。

釣り合い空気ダメがある時は、釣り合い空気ダメの針を読みながらブレーキ弁を制御して、ブレーキ管の針が落ち着いたら、ブレーキ管圧力計で圧力を確認します。

逆に緩めたい時は、運転位置(後部車両だけを緩めたいなら保ち)を取り、適当な圧力になった時に『重り位置』にハンドルを置きます。

ところで、ハンドルのポジションの事は『○○位置に置く』と言う表現をします。

 

因みに、『カサナリ』と言う言葉の語源は

回り弁の孔が重なってどことも連絡しなくなるので『重り』と言うそうです。

何が重なってるのだろう?と思っていましたが、理由を聞けば納得出来ますね^ ^

この『重り位置』以降でATS確認押しボタンによるATS確認回路が構成されます。

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良く目にするのはローカル線などに乗った時に出発信号機の停止現示に対して約150m手前のロング地上子を通過した時にATSの警報が鳴動して運転士がこのボタンを扱っていないでしょうか?ME23の場合、ブレーキ弁は重り以上で確認回路が構成されるようになっています。

 

『ブレーキ位置』

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管の連絡 ブレーキ管ー排気口(小)

接点   電磁弁 ブレーキ

     ATS確認回路

 

常用ブレーキを掛ける位置です。

この位置でブレーキ管の圧力を減圧してブレーキを掛けます。

あれ?ブレーキを掛けるのに減圧???って思いませんでした?

これは自動空気ブレーキの話になるので、後日詳しく書きますが、ブレーキ管圧力は490kPa加圧されていると、各車両にあるタンク(車両や構造により名称が多い為今回は割愛します。)の圧力とブレーキ管圧力を『制御弁』と言う機器を介して制御していて、圧力が

タンク<ブレーキ管の場合

ブレーキシリンダーの圧力を逃がしながらブレーキが緩みつつタンクに圧縮空気を送ります。

 

タンク=ブレーキ管の場合

何もしません

 

タンク>ブレーキ管の場合

タンクの圧力をブレーキシリンダーへ送ってブレーキを掛けます。

 

ざっくり言うとこのような構造になっていますが、制御弁の構造や電磁弁の付いている車両では考え方や取り扱いも違うので、順次お話ししていきますね^ ^

話は逸れましたが、『ブレーキ位置』はこのような作用です。

 

『非常ブレーキ位置』

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管の連絡 ブレーキ管ー排気口(大)

接点   復帰スイッチ

     ATS確認回路

     電磁弁非常吐き出し

 

このポジションは言わずと知れた非常ブレーキの位置です。

ブレーキ管の全ての圧縮空気を一刻も早く排出して、少しでも早く各車に非常ブレーキを掛けるポジションです。

プシャーン!!と言うブレーキ音は、ブレーキ管の圧力を急激に大気に放出した音ですね^ ^

 

この位置ではATS確認回路の他、復帰スイッチの回路も構成されます。

また、非常吐き出し弁への信号も出て少しでも迅速に編成全体へ非常ブレーキを掛ける措置を講じています。

 

因みに、ATSが動作して止まった時は、ハンドルをこの位置に置いて復帰スイッチを扱います。

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※本物はこの前後に指令(駅長)に報告して指示を受けてから操作しないと独断復帰になって社内的に処分を受ける事が確定するおぞましいスイッチです。

自分のミスを隠そうとしたり、そう言う悪意があれば永遠に運転士には戻れない厳しい処分もあり得ます(というかそれしかありません。)

なので、指令に連絡をして『復帰扱いをして下さい』と言う指示を受けて初めて扱えるスイッチなのです。

お仕事では極力触りたくないですね…笑

ミサイルの発射スイッチのような形をしていますが、扱う時は間違えると自分の人生も発射モードになるかもしれない恐ろしいスイッチです。

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因みにこのつまみはバネに逆らって引っ張ります。

出区点検では電源の切れている状態で実際に引っ張って操作感に異常がないかを確認します。

 

話が飛びまくりましたが、ブレーキ弁のポジションのお話はざっくりこんな感じになります^ ^

bveで遊んだり、自宅運転台組む時など何かのご参考までに!

間違っても実際の運転士さんの動作と見比べてクレーム入れるような愚かで最低なことはしないでくださいね汗

あくまで趣味をより深く楽しむご参考程度にお願いします^ ^

それでは!

 

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