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運転台選択スイッチとは

こんにちは😃хироです!

今日は運転台選択スイッチについてです!

これは221系や211系など、国鉄からJRに掛けての時代に出始めた比較的新しい車両に搭載されています。

ブレーキ弁にハンドルを挿したりしなくなった車両はまずコレです!

ポジションとしては、『前』『中』『後』の3位置があり、切換スイッチに存在した『切』位置は存在しません。

正直、技術的にはこのスイッチがなくてもマスコンキーだけで制御することも可能ですが、取り扱いとしてや、電源系統のスイッチとして、列車分離の際の対策として残っている感覚です。

現にE231などの新しい車両はスイッチを『前』にしていても、マスコンキーを挿して解錠しないと電車のコンピュータ(敢えてTIMSなどに限定しない表現をしています。)はどちらが前か認識しないです。

運転台選択スイッチは表示灯や制御器の電源として使われていると表現した方が分かり易いと思います。

 

さて、今日は211系のツナギ図を見ながら進めていきましょう!

まずは現物です。

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この形は見覚えがあるのでは無いでしょうか?

最近はJRと同一設計の私鉄車両も同じ部品を使っていて、あまり会社間の差がないかもしれません。

ボタンを押して機械的に内部の鎖錠を解錠してハンドルを操作します。

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カムも国鉄型と比べてより精密に作られています。

密閉されているので綺麗ですね^ ^

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私は経験ありませんが、もし接触不良や動作不良を起こした時は、従来のように検査の係員が経験と勘とセンスで微調整することなく、このユニットだけ交換すれば良いようにされています!

そもそもカバーも付いて防塵対策も、外から外圧が加わることも防がれていますのでメンテナンスフリーな機器の一つと思います!

 

以前の記事で触れた切換スイッチ

f:id:washimarucom:20201224114634j:imageは主に、車掌スイッチや制御器、表示灯の電源を切換えるスイッチでしたが、この運転台選択スイッチの車両はリードスイッチタイプの車掌スイッチが搭載され、どこでも車掌スイッチさえあればドア操作は可能になりました。

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211系はやはりこの色でしょうか?^ ^

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線番号も、開が333(反対側は332)で、閉が444(反対側は443)とされ、従来の国鉄型のように、電流が流れているとドアが開き、絶たれるとドアが閉まるという仕組みではなくなっています。

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これは、例えば長い編成の時に反対側のドアスイッチが開になっていて、切換スイッチも後になっていると、反対側までわざわざ行かないとドア操作が出来なかったり、折り返し時や解結時に取り扱いミスでドアが閉まってしまうと言うことを防ぐと同時に、ワンマン運転や地方線区などで車掌が改札をしてそのまま他の車両からドア扱いをする場合などにも有効です。

 

このスイッチになってから、ATS-Pの電源もこの運転台選択スイッチから取るようになっています。

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車掌スイッチの回路がなくなった代わりにATS-Pの電源が来るようになったと思えば、近代化には近代化ですね^ ^

ただし、運転台選択スイッチになっても基本は基本です。

最後部運転台が『後』位置、前頭運転台が『前』位置となっていないと、非常ブレーキが緩解せず、勿論力行操作もできません。

また、各種表示灯も点灯しなければ、主幹制御器やブレーキ設定器にも電源は供給されません。

私が思うに、自動空気ブレーキを持たないことに起因しているのではないでしょうか。

従来の車両であれば、自動空気ブレーキを制御する制御弁と、ブレーキ管を持ち、列車分離の際はブレーキ管が絶たれ、そこから空気が漏れ出して減圧し、非常ブレーキが動作するシステムでしたが、電気式ブレーキや直通ブレーキではその作用が無いため、最後部運転台の『後』位置から電源を取り、前頭運転台の『前』位置で電源を受け、ブレーキ設定器の操作で非常ブレーキを緩解するシステムを取っているためです。

その為、これらの車両は全てマスコンキーの抜取り位置が非常ブレーキ位置又はその前後だと思います。

それと、後部標識を点灯させるには『後』位置にしないと点灯しないですね。

消すには標識灯のNFBを扱えば後位置でも消せますが、灯自体はLEDですし、スイッチは入定位で、運転台選択スイッチと連動させるのを前提とされている会社が多く、わざわざ消す意味があまり無いように思います。

このあたりは規程の範囲でもあり、『部品』としてどうかと言うより『運転取扱』の問題のように感じます。

私鉄車両では、逆に『前』位置にしないと識別灯や急行灯と言われる標識を点灯出来ないように配線されています。

前照灯はいつでもどこでもバッテリー直結です。

 

鉄道にはフェイルセーフの法則という考え方が定着しています。

フェイルセーフとは、常に安全側になるようにと言う考え方です。

構内を走る車両はもとより、本線を走る列車は止まることが前提です。

どんな状況でも必ず止まるよう、様々な規程や規則により安全基準が設けられ、それを上回るように設計整備されています。

そう考えると、全ての条件が揃って初めてブレーキが緩む仕組みなのは至極当然とも思えます。

その列車の運転を司る運転台は奥が深い世界ですね^ ^

それでは皆さんメリクリです^ ^

 

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#鉄道部品#運転台選択スイッチ#自宅運転台#切換スイッチ