【保存版】車内放送テープデッキ8トラ4トラ
こんにちは😃хироです^ ^
今日のお題は車内放送のテープデッキについてです。
地方路線や路面電車など、ワンマン運転をしている鉄軌道線や路線バスの運転台で、このようなボタンを見た覚えはないでしょうか?
これはクラリオンのテープデッキの操作器になります。
今現在テープを使っているところは限られてきます。と言うかほぼありません。
バスや鉄道向けのテープが巻かれているカセットの規格は主に5タイプあります。
一つは通常のカセットテープの形状
他には、4トラックテープ、8トラックテープ、ネプチューンテープ、そしてVHSです。
画像は左から、4トラックテープ、8トラックテープ、そして10トラックテープと俗に言われるネプチューンのテープです。
これらはエンドレステープと言われ、最初と最後が銀箔のテープで留められているため『巻き戻し』と言う概念がありません。
完全に一方通行です。
この他に4トラックテープにはワイドテープと言われる大きなものがあります。
山形交通や東京空港交通(リムジンバス)、都営バスの青梅地区などは、冒頭お話しした通常のA面B面のあるカセットテープの形状のものも存在しました。そう言えば東北新幹線もカセットテープでしたね!
8トラと4トラはカセットの形状は似ていますが、
ピンチローラーを本体から出す4トラと、ピンチローラーをカセット内に持つ8トラとでは駆動方式が違いますので互換性は完全にありません。
テープ自体は同じ再生速度なのでカセットを入れ替えれば聴けるようですが、私は絶対にやりません😓
私の部品弄りのポリシーに、もしチャンスがあればまた現役復帰できるような状態で保つというポリシーがありますので、本来の機能や性能を損なうような加工や改造は基本的にやりませんし、もしそのテープが聞きたいのであれば対応するデッキを入手してから聞くべきと思っています。
テープや部品に『もう聞けない音を一オタクの趣味嗜好の贅沢として自宅で聞かせて楽しませてもらう』と言うスタンスですので、このような加工は出来る出来ないではなく、私のポリシーとしてやらないです🤥
さて、昔の高速バスはVHSテープで案内放送と映像を流しているものも多くありました。
現在は音声合成という機器が主力となっています。
先程の画像のコントローラー2台は一見すると似ていますが、電源スイッチのあるものとないものがあり、互換性はありません(勿論改造すればどうとでもなりますが(>人<;))
むしろ、2台並んでいる画像の右側にある電源スイッチのあるものと、箱型のものに互換性があります。
これは単に設置箇所の問題として、据え置き型なのか、埋め込み型なのかの違いだけで、コネクターもピンも電源も全て一緒です。
これらの機器はオートコーダと呼ばれる
ca-104.105.204.205で使えます。
区分としては
ca-100番代は4トラック
ca-200番代は8トラックの等速(全速や速い方と言われることもありますが、本来8トラックテープはこれが通常速度で、9.8cm/secです)
そして一桁の
4は2プログラム
5は1プログラム
という分け方です。
内部は共通で、フライホイールをゴムベルトを介してモーターで駆動させています。
ca-104
4トラック用1信号式2プログラムのものです。
テープの信号は音声信号のみ再生するので、運賃表示器や整理券機を進める信号は読めません。
その代わり、2プログラム(2チャンネル)の音声を再生可能です。
因みに2プログラムに対応していないテープを2プログラム側で再生すると、多くはピーとか、ポーっと言う信号音が聞こえるだけです。
都市部の均一運賃区間や運賃表示器のない列車などで使われていて
思いつく限りですと、都電や西鉄甘木線などで使われていました。
ca-105
4トラックの3信号式1プログラムのものです。
こちらは、音声は1プログラムのみですが、テープ自体は3プログラムまでを同時に読んでいます。
内容は、上から音声データ、運賃表示器を制御する信号、整理券機を制御する信号が出ていて、信号を受けると内部のリレーが励磁して接点を閉じます。
接続された各機器はその接点を利用して自身を制御しています。
勿論テープのデータによってオートコーダー内のリレー接点が動くだけなので接続しなくても問題ありません。
使用例としては山梨交通や西鉄、姫路市営、熊本電鉄、福島交通飯坂線の電車、水間鉄道、などが今パッと思いつきましたが、4トラを使う事業者で広く利用されていました。
鉄道線での使用例も多くあり、恐らく4トラックの機器はca-105が最もポピュラーではないでしょうか?
ca-204
8トラックテープ等速用で、1信号式2プログラムのものです。
機能としては先程のca-104と同じですが、再生可能なテープの規格が8トラックテープになります。
内部のモーターや基板も同じもののようです。
神奈中バスや相鉄バス、東急バス、国際興業の都内の営業所などで使われていました。
変わったところでは、かつて存在した165系アルファの運転台に搭載されていて、シャトル舞浜運用時に車内でBGMを流していたようです。
私はコレが165系アルファの運転台にあるのを見た覚えがありますが、音楽が流れて駆動しているのは見覚えがありません。
※子供ながらオートコーダーを撮影した覚えがありますので画像準備中です。
音楽の再生時期がどのタイミングなのか、運転士が操作するのか車掌が操作していたのか、どんな音楽だったのかなど興味津々です。
何かご存知の方は情報をお寄せ頂けるとありがたいです。
https://twitter.com/washimarucom
ca-205
8トラック等速の3信号式1プログラムのものです。
機能としてはca-105と同じで、テープの規格が8トラックのものです。
8トラ(等速)の機器で最もシンプルかつポピュラーな機器だと思います。
その他にCA-108と言う4トラック2プログラムの機器がありますが、こちらは車外放送用の機器で主にドアスイッチと連動させて使っていたようです。
趣味的には連続録音するにはちょうどいい機器かもしれませんね^ ^
私はオタクなので運転士さんと同じコントローラーのボタンを押して進めるところにワンマンテープの醍醐味を感じますがw
ところで、私も詳しい事は分かりませんが古いコントローラーでこのようなものがありました。
大昔、山梨交通の路線バスで使っていたものと言うことで譲って頂きましたが詳しい事は今に至るまで調査中です。
恐らくオートコーダーになる前の機器で使っていたのではないかと思います。
わかっているのは山梨交通の路線バスで使われていたという事と、クラリオン製と言うこと、かなりの年代物というだけです😅
これを手に入れた当時、私はまだ高校生で山梨交通の運転士さん達に現物を示して情報を得ようとしましたが、昔のバスについていたと言う以上の情報は得られませんでした。
どうもワンマン運転が始まった頃のBUや少し後のCCMあたりの時代のもので、テープデッキ初期のものだと言うところまでは突き止めましたが、それ以上は分かりませんでした。
謎は深まるばかりです🤥
コレを見せて回っていると甲州弁で『あれ!自分よくほんなもん持ってるじゃんけー!てっ!なぁつかしいよぉ^ ^マニアけぇ?』と甲州弁の運転士さん達が集まってきて使い方やらテープにまつわる面白いお話を色々教えて頂き、とても親切にして頂きました^ ^
もうかなり昔の話ですが、そのうちご披露しますね😃👍✨
兎に角、私の中で山梨交通は働いてる人たちがとてもいいバス会社だと思っています^ ^
山梨交通と言えば、かつて路面電車が走っていて、その廃線跡を活用した県道がありその名も『廃軌道』と呼ばれています。
片道限りですが、朝は渋滞を避ける為、かつて山梨交通電車が走った経路を走る路線バスもあり、座ったまま廃線巡り?が楽しめるようです😁✨
確か江ノ電から帰ってきた当時の山梨交通電車もかつての終点駅のあった場所に保存されている筈です。
一方、8トラの半速と言われる機器があります。
半速とは等速の半分のスピード4.75cm/secです。
こちはら専用の機器を使わないと再生不可能です。
等速の機器で聞くと聞き取れないくらいの早口で声も高くなりまさに早回しです笑笑
テープは再生速度が速いと多くの情報を凝縮できますので音楽を聴く分にはより良い音質が得られますが、バスの案内程度であれば、音質が多少落ちても問題はなく、むしろ長大路線なら半速にすれば同じテープの長さなら倍の時間録音出来ることになります。
また、当時の音楽テープを運転士が勝手に掛けて車内を盛り上げてしまわないようにという狙いもあったと聞きます。
テープデッキの時代は停車中に運転士さんがラジオを掛けていた時代柄を考えると、あながち嘘とは言い切れない情報とも思います。
さて、半速テープを再生する機器はクラリオンではオートガイドシステム(AGS)と呼ばれます。
機種名で言うと
ca-001A/B
ca-010A
ca-030A
ca-040A
勿論CA-31のような過渡期の希少機器や特注のようなものも存在しましたが上記の機器が一般的ではないでしょうか?
駆動方式はオートコーダーとは少し違っていてモーターの軸をテープに直接当てて駆動しています。
オートコーダーはフライホイールを使っていますので、モーターはトルクよりも速さが必要ですが、こちらは速さよりもトルクが必要になってきます。
それにしても、モーター自体もかなり大きいですね。。。
ひょっとすると、このカバーの内部にフライホイールに相当するものが内蔵されているのでしょうか?そのうち開けてみます😅
下の画像の右下にあるピンのような棒状のものが回転してテープを引っ張っています。
これがモーターに直結しています。
コントローラーとしては、RCA-152-102や
RCA-153-100
これらが一般的で、前述のオートコーダーシリーズとは互換性がありません。
そもそもカプラーの形状も違いますし、機器としての設計が違いますので似て非なる存在です、
さて、機器を見ていきましょう。
ca-001a
デッキは2段になっていて、上段が車内放送で1プログラム、
下段が車外放送で2プログラムです。
上段も2プログラムのものも存在するようですが、どこで使っていたのか私は知りません。
この上段1プログラム、下段2プログラムの普通の?タイプは東武バスや川中島バスで確認しています。
車内放送は車内放送としておいて、先程のコントローラーで操作して、車外放送はドアスイッチと連動させます。
前扉や中扉はその会社の仕様がありますのでつなぐドアスイッチの線を変えて回路を作ります。
その為、結線図上では前扉や後扉という言い方はせず『乗車扉』『降車扉』と表現します。
プログラムの切換は本体に付いている多区間(整理券が必要な区間)と単区間(整理券が不要な区間)を切り替えるスイッチで下段のプログラムを切り替えるのですが、
面白いのはテープの仕様と言うか使い方が会社によって異なるところでしょうか
例えば、このデッキにあるように単に『車外放送』として2プログラムのテープを作成して、
多区間では1チャンネルに『整理券をお取りください』と連呼させ、単区間では2チャンネルに『整理券は要りません』と連呼させるのが設計者の意図でしょうが
例えば川中島バスや瀬戸内自動車のテープでは、車外放送も区間別にしてあり、往復で使っています。
例えば、長野〜戸隠キャンプ場の車外放送テープでは、1チャンネルに往路の戸隠キャンプ場行きの車外放送『お待たせ致しました。このバスは戸隠キャンプ場行きです。』と入っていて、2チャンネルには復路の長野駅BC行き『お待たせ致しました。このバスは長野駅バスセンター行きです。』と入っています。
このような使い道もあるようです^ ^
お次はca-001Bです。
基本的にAと同じです。
私の知る限り奈良交通で使われていて、車外放送のテープには3チャンネル目があり、コントローラー側のカプラーに降車ボタンのメモリーを繋いで、通電すると一回再生します。
奈良交通のデッキを何台か仕入れて実験しましたが、その機能の動くものと動かない物が混在していました。
こちらは後日詳しくお話しします^ ^
ca-010A
ca-010Aは同じ名称の機器でも1プログラムと2プログラムのものが存在しています。
基本的には画像では下にある1プログラムのものが一般的です。
ワンマン列車や路面電車でも使われていた例も多いです。
最も基本的でシンプルな機器だと思います。
こちらはドアスイッチと連動して、ドア開で車外スピーカーと接続をして一度だけ放送を進めます。
ただ、仕様があるようでドア開にしても車外スピーカーと繋がるだけで放送をしないものもあります。
故障かな?と思い基盤を追いましたが異常は無いようなので、恐らく仕様だと思っています😅
ca-030
2プログラムタイプで、冒頭放送などを自動で録音して、ドアスイッチと連動してドアが開いていると連続して車外放送を流し続けることができます。
都営バスや国際興業の都内営業所などで使われていました。
私は同機を持っていませんが、外観は後述のca-040Aのプログラムの部分が2つしかないものです。
ca-040
ca-030の4プログラムバージョンです。
恐らく半速機器では最高グレードだと思われます。
JR北海道のワンマン列車や札幌市電など、北海道での採用例が多くあります。
このデッキがあれば、8トラ半速のテープなら大概は聞くことができます。
趣味として特定の事業者純正のデッキに拘らないのであれば、ca-040を持っていればひとまず半速のテープを聞くには困らないでしょう。
私はテープオタクなので勿論デッキも拘りますが、運賃表示器や周辺機器も連動させようとしないのであれば、単に聞くだけなら対応するカセットの規格と再生スピードが合っていればどのデッキでも基本的には問題ありません。
また、ca-030からは背面のカプラーが後に登場する音声合成機器と同じものが採用されています。
音声や整理券、運賃表のデータはテープから取っていますが、ただ放送するだけで良いのなら、これ以上のものは必要ないと言い切れるくらいの性能です。
もうロマンですよね笑
キハ58の運転台にどれか載せようと考えています。
やっぱりca-040かな?とも思いましたが、キハ58は本州以南の車両なのでca-010Aも捨てがたいと思っています😅悩ましいところですね😌
他にもネプチューン(現レゾナントシステムズ)やナショナル、ゴールドキングなどの機器も存在していましたが、多数派ではなく、特定の事業者に留まる印象です。
ナショナルの機器は関西圏でシェアがあるようで、京都市交通局のバスや地下鉄(機器と再生速度は違います)や大阪市交通局のバスや地下鉄、京福嵐電などでの採用実績があり、関西の方はナショナルも馴染み深いのではないでしょうか?
伊予鉄道のナショナルデッキは4トラックの大きなものでしたが、あのアナログな雰囲気と路面電車のレトロな雰囲気がピッタリでした^ ^
いつの間にか音声合成に変わっていましたが、むやみやたらに増設せず、運転台の雰囲気も損なわずにうまくマッチさせているところに伊予鉄道の方の技術の高さとセンスの良さ、そしてヤル気を強く感じて感銘を受けました笑
ネプチューンのものは俗に10トラと呼ばれるひと回り大きな専用のテープとデッキも用意されています。
有名なのものはTC-11Cですね^ ^
本当に10トラック入っているのかはわかりませんが、10トラと呼ばれています😅
私の見たところ、テープ自体は3プログラムくらいしかないように思っていますが調べる術がありません🤔
こちらは主に国鉄からJRのハイウェイバスや千葉交通、名古屋市営、阪神バスなどに広く使われていましたので、また別の機会にご紹介します^ ^
ネプチューンのテープはピンチローラーの押さえと、テープのロックが一つの比較的強いバネで成り立っています。
とても効率的な作りですね!
それでは^ ^
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