セルフラップ
こんにちは!хироです!
突然ですが皆さんは、セルフラップがどのような機構か説明出来ますか?
電車でGo的なブレーキの操作をするのがセルフラップだ!電磁直通ブレーキのことだ!ブレーキハンドルが抜けるやつ!
など、以外と仕組みをキチンと答えられる方は少ないのではないでしょうか?
右に回せばブレーキが強くなるヤツ!くらいの認識の方が多いのではないかと思います。
自動空気ブレーキならば単に回り弁を回して空気を制御しているで片付きそうですが(^^;
今日は知っているようで意外と知らないセルフラップ機構についてお話ししましょう!
まず、操作的にはユルメの位置から非常ブレーキ方面にブレーキハンドルを回せば、回した量に比例してブレーキ力が増す、と言う操作方法は何となく感覚でわかると思います。
セルフラップ部は例えばME38ではこの部分です。
他のブレーキ弁でも接触部の下にボコっと出ている部分があるかと思いますが、それがココです。
もちろん検査などの時は取り外しますので、M5のボルトナットで固定されています。
そもそも、セルフラップとは、『セルフ』と『ラップ』と言う二つの単語から出来ている言わば鉄道の和製英語が更に鉄道用語に化けたモノです。
セルフ、、、まぁ勝手にって意味ですね?
ラップ、、、重なるですね?
勝手に重なる、勝手に重なる、勝手に重り!
そう、ちょうどいいところで勝手に重りの扱いをしてくれるのです!
ここに、国鉄の教科書がありますのでご覧ください。
俗に言うセルフラップ部の内部構造です。
今回はME38を例に説明します。
ユルメ作用
図の右側にある棒がブレーキハンドルで操作する軸です。そして、その真ん中に付いているものが今回ポイントとなるセルフラップカム(以下カム)です。このカムは勾玉のような型をしていて、回すと釣り合いテコを押してテコのバランスを制御します!ここが大きなポイントです!
空気関係は
左上のMRは元空気ダメ
右下のCPは直通管
左下のEXは吐き出し口です。
ブレーキ弁のプシューという音を発する場所ですね^ ^
実車はこの下に脚台があるので、音自体は脚台の吐き出し口からすることになります。
さて、話はセルフラップ機構に戻ります。
ユルメ位置ではカムの偏心が低くなるので釣り合いテコが自由になり、供給バネが供給弁を押して蓋をします。すると、元ダメ圧力は入って来れなくなりますね?
代わりに釣り合いテコが押されて下の吐き出し弁が開き直通管の空気が吐き出し口から大気に排出されていきます。
プシューっと音がするわけです^ ^
重り作用
要は軸についたカムとテコの偏心、バランスによって空気が多いか少ないかを比較して弁を制御しているだけなので、(もちろんバネとの力の関係によって)偏心に対して元空気ダメと直通管の圧力が釣り合えば両方の弁を閉じて重りの作用をします。
ただそれだけのことです。考えた人頭いいですよね^ ^
ブレーキ作用
こちらも軸についたカムの偏心によって元ダメより直通管の方が高いと供給弁をテコが押して元ダメから空気が入り、圧力が保たれると先程の重りになると言うモノです。
こうして見てみると意外と単純な仕掛けですね^ ^
大切なのは、テコ(カムの位置)の比率、各弁のバネの力と圧縮空気比率ではないでしょうか?
要するに様々な素材がバランス良くしかも正確に配置されて初めてあの便利な機構が作られていると言うことですね^ ^
因みに運転士の養成所に入ると漢字の誤字含め一語一句間違えずに暗記することが求められます。
『釣合い』なんて書いたら容赦なく✖️です!
『釣り合い』と書かないと正解にならない、なんとも厳しい世界ですね…。
因みに、ME48は仕組みこそ同じですが、カムですいきなり押すのではなく、カムでコマを介して押し棒を押して制御しています。
動画内でその様子がご覧いただけます。
今回はザックリ説明しましたが、細かく正確に説明したらかなり長くなりますので、続きは動画の中ででもお話ししますね^ ^
ME48のセルフラップ機構をカムで押す様子はこちらの動画で解説していますので是非ご覧下さい^ ^
それでは!
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