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車内放送テープの話し 8トラ 4トラ

こんにちは、今日は車内放送の話です。

車掌さんの肉声はご存知の通りマイクから、

自動放送は、今どきの車両は自動放送の機器やシステムの中にデータが組み込まれています。

このあたりはまだ私達が趣味で実物を入手して配線したり、運転台に組み込むのは仕入れの段階で既に難しいので、世に出回ってからにします(昨今の全部解体している様子から将来に渡って出ないと思いますが…)

 

さて、今回は初期のものを説明します!

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そう!テープです。

種類はザックリ見て8トラックテープ(以下8トラ)と4トラックテープ(以下4トラ)分かれます。

他にネプチューンと言うメーカーのものもありますが、鉄道での採用例は少なく、主にJRバス(国鉄のバス)や京成バス、名古屋市営バスなどでの採用例があります。

かなり深い、本当に底なし沼なような世界なので、詳細に正確に説明すると恐らく本が出せるレベルに細かいので、今日はザックリとお話ししますね^ ^

 

まず、テープが主に用いられたのは地方のワンマン列車や、路面電車など、ワンマン運行する路線の車両に装備されていました。

一時期シャトル舞浜の165系アルファにも運転台にクラリオン製のCA-204と言うデッキを載せて、ディズニーの音楽を車内で流して運行した時期もあったようです!

こんなデッキですね^ ^

バスだと、神奈川中央交通や東急バス、国際興業の都内路線などで使用実績があるようです。

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さて、このテープですが、切符と同じ原理で磁気が塗られていて、その磁気をヘッドと呼ばれる部品で読み取って、デッキ内のアンプを介してスピーカーから音を出しています。

8トラや4トラの語源は8トラック、4トラックと言って、この磁気テープにデータが入る行が何段あるかと言う表現です。

大昔はオーケストラなどの録音をするのに出来るだけ多くのマイクを各楽器の前に置いて録音して同時に流すことによって迫力あるサウンドを楽しもうとした結果、4トラックが8トラックに増えたようです。

テープのケース自体も形状が変わり、ピンチローラーが4トラはデッキにあったものが、8トラではテープに内蔵されたりと、カセットに互換性はありません。

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比較しました、

左の京都市交通局のテープは8トラです。

右の福島交通のテープが4トラです。

似て非なるものですよね?

 

ただ、8トラの等速も4トラも再生速度は同じなので、原理的には無理やりテープを巻き替えて聴くこともできるようですがテープ自体の価値を大きく損なうので決してお勧めしません。

さて、バスや鉄道では、例えば1トラック目に車内放送、2トラック目に運賃表示器の切り替え信号、3トラック目に整理券器の切り替え信号と言うような使い方が一般的です。

テープの方式も様々で、片道毎の事業者や同じトラックに往復分が連続で録音されているもの、仕業毎になっているものや、一つのテープをフル活用して4つのトラックに4路線入れているものなど様々です。

 

鉄道だと、北海道の8トラテープが4チャンネルあり、4路線(系統)使っているものが目立ちますね!

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このCA-040と言うデッキなら4チャンネルのテープが再生できます!

 

個人的には伊予鉄道の4トラテープを長年探していますが、なかなか出回らないようで今だに手に入りません。デッキも松下の上からガチャンと入れるタイプのものでDJっぽくて好きだったのですが笑笑

そんな伊予鉄も随分前から音声合成ですね。

 

さて、話は脱線しましたが、このカセットの1番の特徴は一方通行で巻き戻しが無いことでは無いでしょうか?

エンドレステープと言って、最初と最後を繋ぎ合わせてあり、そこに銀箔のシールを貼ってあります。

ヘッドはその銀箔のシールを感知して、テープの始端を検知するのです。

早送り機能のあるデッキだと、この銀箔のシールを感知して止まるようになっています。

 

ところでこのテープたち、先ほど少し触れた通り互換性が全くありません笑

確かに、自社のバスなり鉄道車両で特定の業務に使用する機器ですから、互換性を持たせる必要性がまるでありませんが、私達は趣味で多くのテープを集めていますので、出来れば一つで全部聴けるデッキが欲しいですが、なかなかそうもいきません…

もっと酷いのは、同じ8トラでも等速と半速と言って、再生スピードが2種類あります。

等速が9.5cm/sec、半速が4.75cm/secと、倍の差があります。

4トラは等速と同じ9.5cm/secなので4トラであれば4トラデッキ1台あればなんでも再生出来ますが、問題は8トラです!

8トラは速度が2種類、チャンネルや仕様も各社バラバラなので、テープをフルに楽しむ為にはデッキは何種類か持つ必要があります。

一応、8トラテープの正規の規格は等速ですが、バスや鉄道のテープに限っては半分のスピードにして専用機器を使うことによって、音質はほぼわからないレベルに下がりますが、録音できる時間が倍になり、長大路線や長い広告放送も収録可能にしています。

そもそも、再生スピードが速い方が音質が良いとされていますが、音楽を聴くわけでもなく、事務的に次の停車場(停留所)の案内が聞こえればいいので、あまり音質は重要ではないですね。

あと、当時聞いた話では、昔は8トラの一般の音楽テープも市販されていたので、運転士が自前の音楽を流せないようにする為にも半速だったと聞いたことがありますが、これはメーカーの意図するところではなさそうなので、一応ご参考程度にお話しします。

 

さて、このように少し話し始めると止まらないテープの世界ですが、少しずつ説明していきますので気長にご覧ください^ ^

 

それでは!

 

鉄道部品やバス部品を解析したり配線する動画を投稿しています。

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